「司令、作戦開始まで30分です。」
「わかった、全艦横一文字隊形に移動。」
「了解」

最大加速故に艦体がビリビリと振動を起こしているがパブリク型突撃挺の編隊は全面にソロモンで埋まる距離まで進んでいた。
が、ソロモンからの迎撃も激しく、撃破される数も増えて行く

「2号挺被弾、落後します!」
「102号挺、爆沈!!」

ブザーの音がポイント到達を伝える

「よし!ここだ!!ミサイル同時発射!!」

挺長の声に水雷長が大きなレバーを引き下げる。
挺体とほぼ同じ大きさのミサイルが2発、発射され、後続のパブリク型突撃挺も次々とミサイルを発射する。

「やった!!」

離脱を指示する間も無くパブリク1号挺はミサイルによって爆発し、光と化した。


「敵は強力なビーム攪乱膜を張ったようです。」
「ザク、リックドムの部隊は敵の進行に備えろ!!敵は数が少ない!ミサイル攻撃に切り替えろ!ミルバ隊は左翼に展開、
ハーバード隊は後方から動くな!ティアンムはどの方向から来るかわからんぞ!!」

ソロモンではドズル・ザビ中将の声が響いていた。


「ワッケイン司令、ビーム攪乱膜成功です。」

コウ達は艦隊の頭上で編隊を組んで待機していた、

「各艦、任意に突撃!各モビルスーツ隊発進!!」

総司令ワッケイン少佐の声が通信機に響く

「ようし!行くぞみんな!!」
「「「了解!!!」」」


対MS戦になれていないジオンの兵士は連邦のMSに苦戦するがそこは腕でカバーしていた。

「おのれ!連邦の雑魚どもがぁ!!」

アナベル・ガトー大尉は叫びながらもジムを次々と撃破していった。


「ヘスペロス前進、ウッド、ベルでVライン展開!」

レイが突撃の指示をだす。

「52サンチ砲、3式弾をスタンバイ!」
「艦長、ミサイルです、」
「52サンチ砲、斉射!撃て!!」

ビーム兵器主体な連邦艦隊において実体弾兵器が主武装にあるのはペガサス級とヘスペロス級とヘスペリス級なので
自らのビーム攪乱膜で主砲が使えない艦隊の前に出ざるおえない

「3本の槍か・・・」
「?ワッケイン司令?」

ワッケインは中央のホワイトベース、左翼のハイペリオン、右翼のヘスペロスの突出をこう例えた。

「みんな、あと5分だ後5分がんばれ!」

コウの声がモニターより流れる。

「まだだ!まだ沈んではならん!!ミサイルを撃ち尽くすまでは!!!」

「23戦隊、壊滅!」

戦場は激戦を極め、人の命の輝きは数を増すばかりだった。


「なにィーっ!?ばかな!サイド1の残骸に隠れていたのがわかりましたァ?」
「ラコット!どうしたか?」
「ティアンムの主力艦隊です」
「ふむ・・・衛星ミサイルだ!!」

ドズルの命令で隕石にエンジンを取り付けただけの衛星ミサイルに火がついた・・・

「戦艦グワランとムサイを向かわせろ!」

ドズルが次々と命令をする。
副官のラコットがコーヒーをドズルに手渡しながら尋ねた

「第七師団に援軍を求められては・・・」
「すまん・・・キシリアにか?」

グラナダかア・バオア・クーの戦力が追加されればこの戦闘の勝利は確実なのだが・・・

「これしきのことで!国中の物笑いの種になるわ」


「キャア!!」
「ミラ!!」
「大丈夫か?」
「くっ・・・ど、どうにか大丈夫・・・」
「アカネ、艦まで護衛してくれ」
「了解」
「大丈夫よ・・・」
「んなワケねーだろ!損傷度C中破だ、ミラ・カガミ少尉、帰還せよ!」
「ヨシオ・・・まだ戦える・・・」
「命令だ!」
「うぐぅ・・・了解・・・」

二人を戻したヨシオは、アヤコ、ノゾミとドムの部隊と戦闘を再開した。
ヨシオが命令するのはほとんどないのだ、それだけミラの損傷は酷かった。

「コウ!!」
「時間だ・・・」

ソーラーシステム、400万枚を越える鏡の集合体である。ティアンム艦隊はこれの展開の為に残骸に隠れていたのだった。

「迎撃機接近、各艦注意!」

旗艦タイタンではティアンムが冷静に言い放つ

「構うな!照準合わせ急げ!!」

制御の為にタイタンのコンピュータは限界で可動していた。

「これよりソーラーシステムの照射を開始します。焦点軸上から退避して下さい。防眩フィルター用意、」
「目標ソロモン右翼、スペースゲート。」

ソロモン攻略戦は後半に入った。




573−5へ
573−7へ
あとがきへ