第一機動艦隊は、レビル将軍の第一連合艦隊とは行動を別にしてグラナダ方面に進路をとっていた。
ジオンに行動を読ませない為である、
連邦軍は大きく3つに艦隊を分けて進行中である、主力の第一連合艦隊、その支援に第二連合艦隊残存艦隊、
速力の早い第一機動艦隊である。
「レビル将軍の作戦指示はまだか?レイ。」
「コウ、あせるな。」
「艦長、補給艦が接舷を求めています。」
「解った、サツキ、各員半舷休息、今のうちに休息をとらせろ。」
「了解、」
「艦長、グラナダから出たジオン艦隊が第二連合艦隊と交戦を始めたみたいです。」
「なんだと?」
「この距離では、応援は出せないわね。」
「大丈夫だよ、シオリ、あの艦隊にはホワイトベースがいる。」
一方、ディマンシュ級の艦隊がコウ達の進路上の残骸の中で第一機動艦隊を待ち伏せしていた
先発隊はカタパルトを使用せずに、艦を蹴る様にして発艦、ガトルやジッコの牽引で展開していった。
左右からの挟撃の為に反対側に廻るのだ、対艦攻撃能力の無いディマンシュ級は残骸から離れられない。
「チャイカ中尉、発進10分前です。」
「わかった、RZの状態はいいようだ、」
「ありがとうございます、でもいいんですか?ゲルググの方が性能がよいのでは・・・」
「私にはこの機体の方が慣れているのよ、」
チャイカはコウのガンダムに負けたあと自機のMS−06RZを強化し、スコアを上げていた
艦隊でもザクを使用しているのはディマンシュの隊だけであとは、ドムやゲルググに換装されていた
「ツキムラ少尉、白い炎小隊発進です、」
「了解、各機、発進後ポイント13で待機、」
「了解です、隊長。」
「ケイ、今日も勝負だ、」
「何を賭ける?エリチャフス。」
「そうだな・・・エミリ少尉とデートってのはどうだい?」
「ちょ、ちょっと、ツキムラ少尉にミヤウチ少尉、勝手に決めないでよ。」
ブリッジの通信オペレーター、エミリ・ブロッサ少尉は二人の会話にあわてて入り込んだ
この3人は小さい頃からの幼なじみで艦内でもいつも大騒ぎして艦の名物の一つだった。
艦長もすでにあきらめ白髪を増やしていた・・
「ケイ・ツキムラ、マリーネフレイム出ます!!」
「エリチャフス・ミヤウチ、マリーネシュツルム発進!!」
「ちょっと!待ちなさい!!・・・もう・・・」
「ブロッサ少尉、マリーネドランケ発進してよろしいですか?」
「え?・・あっ・・はい、どうぞ。」
「アルベルト・ラインゴルト、マリーネドランケ発進します!」
ケイ・ツキムラはゲルググをカタパルトに移動させ発進した。
少尉はジオン公国最後の士官学校卒業生で、首席卒業という成績優秀だったのと、
ジョニー・ライデンらの推薦もあって小隊長に任命されていた。
「小隊の指揮官ってガラじゃないよな・・・」
スロットルを入れるとゲルググはケイの思う様に加速する、
ケイの所属するディマンシュ級キリアキはMS−14が配備されている
搭載量18機のうち残りもゲルググだが量産のA型9機とB型3機、C型3機などである。
若い彼らには、広報の意味もあって、最新鋭の機体が配備され、
しかも白を基本としたカラーリングがされている。
グズヌフの方はMS−09RUなどのリックドムがメインで配備されていて
末期によくある混成部隊である、あと艦隊には実用試験の名目で一隻の新造艦がいた
「ラグナ・ヴァルキュリア(最後の戦乙女)」
そう名付けられた艦は前半分にムサイ、後ろにガウが付いていた。
本国の工廠で製造されたガウのうち地上に降ろせなくなった一機を、
エンジンを宇宙用に換装してムサイの後部に接合して作った重巡洋艦である、
ガウに装備されていたメガ粒子砲はそのまま装備されているので艦砲戦力だけでも2.5倍の強化
MS搭載量もガウ本体部分がMSデッキになったことで20機以上搭載可能になっている。
同様に作られた数隻は「バルキリー級」としてジオン軍に認可されていて
ムサイのタイプごとに種類が存在する。
翼部分の航空機デッキはそのままガトル空間戦闘爆撃機を3機づつ搭載しているが、
この艦は戦闘機に変わりにある物を搭載している。
そのブリッジの指揮官席の前に立ち戦場を想定せ眺める少女と言ってもいい容貌の女性士官を
後ろから落ち着かせるかのように背の高い士官の男が抱きしめる、彼女も安心して身を任せていた。
「メイ、いいのか?あの艦隊は君のお姉さんがいる艦隊だぞ?」
男は耳元で優しく、なれど厳しさを含んだ声でささやいた
「いいのだ、ナオト、連邦とジオンのどちらが勝ってもいいようにメイがジオン軍に所属しているのだから・・・」
少女も甘えて、なれど決意を込めた声で答える。
「メイ・・・」
抱きしめる腕に力が籠もる。
「ナオト・・・出撃してくれ・・・」
その腕を抱えている腕をありったけの力が籠もる。
「解った・・・」
「メイ様、ナオト様のラピス・ラズリの用意は出来ております。」
「解った、サクノシン、ご苦労。」
ナオトがブリッジから出るのを見送ったあと、メイは指揮官席に座り
「我がラグナ・ヴァルキュリアはディマンシュ級の前に展開、MS隊はナオト・タカミ大尉を中心に敵艦隊に強襲。」
「見事な采配です、メイ様。」
「システムの準備は?」
「はい、いつでも行けますが、起動にはタカミ様のコードも必要ですので・・・」
「解ったのだ。」
メイ・イジュウイン、ジオンの軍人としては中尉にすぎないが身分上この艦の司令に収まっていた、
レイ・イジュウインの実妹である
この戦いが彼女の初陣なので、この戦闘が終われば二階級特進で少佐の地位が用意されていた
ナオト・タカミはメイの士官学校の一年先輩で
同期にシャア・アズナブルやガルマ・ザビがいた為3番手より上に上がれなかった
さらに本国防空隊に所属していたので、ルウム戦役などに参加していなかった。
「アカギ艦長!!ジオン艦隊発見、残骸に隠れていました!」
「まずい、第一波が来るぞ、MS隊、スクランブル!!」
「ジュン、発進だ!すぐに俺達も行く!!」」
「了解!」
「573戦隊各機、準備出来しだいに発進!!」
「コウ!」
「出るぞ、シオリ!」
「わかったわ!」
副艦長兼任と、副司令兼任の立場のコウとシオリは戦闘配備でもパイロット待機室でなく
ブリッジに待機しなければならない。
「艦はこのまま直進、対空監視おこたるな!!」
スクランブルのブザーが鳴り響き
MSデッキの人員が慌ただしく動きまわり、発進に備える
「連邦がこちらに気付いた様だな、全機攻撃開始!!」
キリアキの艦長が命令を発すると各MSの火器から炎が上がった
「ジオンは左右に分かれて攻撃してきます。」
「索敵はなにをしていたんだ?敵の展開に気付かないとは・・・」
後続するサラミスの一艦が爆沈する。
「誰が沈んだ?」
「六艦隊のミョウコウです!」
「573戦隊は敵艦の方向に前進!バクレツザン司令官に打電!!
テキはワレがひきうける、合流地点へ急がれたし!!!以上」
「了解!!」
レイが命令せずとも、彼女の意向はアカギが素早く命令するので、レイは安心して先の事を考えていられた
戦場のどこかに妹のメイが戦っている、自分の為でなく家のために、
できれば戦いたく無い、それが本心だったのだが・・・
「連邦め、二手に分かれたか、あの2隻がこちらに突っ込んで来るから、陣形が崩れたな・・・」
「タカミ大尉、」
「我らはこのままあの2隻に強襲する、あくまで一撃離脱だ、白兵は極力控えよ。」
つきそう6機のパイロットは訓練ではかなりの成績だが実戦は初めて、そんなパイロットに
熟練を必要とする白兵戦をさせるワケにはいかないのだ。
「了解です。」
「・・・メイにFARGOの連中が作ったシステムを使わせるワケにはいかないからな・・・」
タカミの機体に従うのはドム・フュンフの宇宙用6機、一応最新鋭の機体である。
「こちら、21宙雷戦隊所属、第8駆逐隊573戦隊を援護します。」
「了解した、レジェンドベルを先頭に円陣形をとれ!」
「了解!」
別れた本隊の最後尾に位置していた駆逐艦4隻がヘスペロスの護衛に接近、
アカギはバクレツザン大佐の差し金と解っていたのでそのまま陣形を組んだ
「フっ、まるで大和の陣形だな・・・」
旧世紀、当時世界最大の戦艦が最後の作戦に向かう際の陣形をアカギは思い出し自らを嘲笑した
「コウ君!」
「サキちゃん、行けるな?」
「まかせて!ぶいっ」
サキが明るくVサインをするのでコウもつられて
「ぶいっ」
と、返す。
ココまでの行程の間にサキは哨戒任務にかこつけた特訓で
コウとシオリとのフォーメーションをばっちしとれる様にはなっていた
が、あくまで非戦闘時でのことだ。
「コウ!早く。」
「解った、シオリ。」
二人の仲の良さに少しムっとしたシオリはわざとコウの腕にしがみついて呼ぶ
バチッ!
シオリとサキの間に一瞬稲妻が走った気がしたコウは両手で二人を抱えデッキに飛び出した
そして二人のバイザーを自分のバイザーに付けると
「いいね、絶対に生きて戻ること。」
「了解、コウ君」
「解ったわ、コウ。」
二人はコウに抱きかかえられてほにゃ〜んとなり、素直にコウの言葉に従い
それぞれのコックピットに潜り込んだ
「・・・戦争が終わってからって事よね、コウくん・・・」
サキはすでにアイドリング状態のガンキャノン・アサルトのコックピットに座ると機体のチェックを始めた
「え〜と、E−CAP充填OK、推進剤満タン、ニードル・ミサイル接続OK・・・・・・」
ガンキャノン・アサルトは背部にガンダムのビームライフルと同出力のビームキャノン2門と
左腕には連装ビームキャノンを装備して両肩にはニードル・ミサイルポッドを装備する支援用MSだ、
一方シオリのガンダムではシステムエンジニアのユウカ・ハヤカワ少尉がまだコンソールをいじっていた。
「え?まだ終わってなかったの?ユウカ。」
「あ〜ごめんなさい、今終わった所です〜ばっちし希望どおりにできてますよ〜」
「リミッターの解除はどれ?」
「このレバーを引いて〜90度ひねってください〜」
「ありがとう、ユウカ。」
「シオリさん、ちゃんと帰って来てデータくれないと嫌だよっ」
「まかせてっ」
コウがコックピットに入ると、ハヤカワ中尉がそばに来た
「少佐〜あんま無茶せんといて下さいなっ、ただでさえコイツ整備メンドイんやから・・・」
「はは・・覚えておくよ、調整は?」
「ハードリミッターもソフトリミッターも解除してありますわ、
しかしこんなにはよう限界まで使いこなすとは思わなんだな。」
「性能がいいからつい無茶しちゃうんだよね、はは・・・」
「あと、例のトレースシステムやけど、このスイッチで切り替えて音声入力で起動します。」
「音声入力?」
「つまり名前を叫ぶんですわ。」
「叫ぶ・・・恥ずかしくないかな?」
「テストしたんやけど、ごっつう萌えまっせ。」
使わない様にしよう、心でつぶやくコウだった。
「A小隊出るぞ。」
「進路クリアー、発進どうぞ、少佐。」
「この状況でクリアーか・・・」
「スイマセン、少佐・・・」
サツキのまだ固さのとれない声と表情に苦笑しながらコウはガンダムを発進させた
「さて、敵は3方向に展開してるのか、」
「アニキ、」
コウジのジムが接近してきていた
「ん?」
「ケイさんは右翼、カツマさんが左翼に展開、ジュンさんが正面でボクが直衛。」
「OKだ、行くぞ。」
「了解!」
573戦隊の正面に位置したタカミは号令をかけスロットルを全開にした
「いくぞ、突撃。」
先陣を切ったのは、タカミ率いる部隊だった
機体よりも大型なブースターをマウントしているタカミのMS−18G ラピス・ラズリはかなりの加速で突進するが
コウ達のパルス状のビームの雨に進路を変更せざるおえず、
その強力なビームは盾となったレジェンド・ベルに突き刺さった。
「前方、大出力ビーム来ます!!」
「回頭!急げ!!」
「キャァァァ!!!間に合いません!!!」
艦首に直撃したビームは前半分を削り取っただけでなく、
メインエンジンをショックで停止させ全電気系統を使い物にならなくさせた
エンジンの停止は暴走しなかっただけ運が良かったのだが、ハッチが開かないなど脱出は困難な状態であった
総員退艦の声も伝えるすべがなく、脱出に成功したのはわずかであった。
「シオリ、」
「ハイ。」
「サキちゃん。」
「はい!」
コウは一言しか発しなかったが二人はそれだけでちゃんとフォーメーションを組み攻撃をしかける
「やるな、さすがメイの姉上の部隊だ・・・残念だが、この角度だと艦に戻るしかないか、
ミサカ、アマノ、キタガワ、ウォルフ、俺のブースターに取り付け、」
残った4機のドムがフックを掴むとタカミはラグナ・ヴァルキュリアへ向かった
「試作品だからな・・・このビームバズーカはもう使えないか・・・」
一回の発射でビームバズーカはメカニカルトラブルを起こし使用不可能になっていたので、
ナオトは切り離した。
左右からの波状攻撃の中、573戦隊のMSはこの段階では一機の離脱も無く良く戦っていた。
「コッセル、どうした?」
「はい、シーマ様、前方で友軍が戦闘中でさ。」
「進路は?」
「そこを突っ切らないとキシリア様の艦隊には合流できませんな、どうしやす?」
「出るに決まってるだろ、せっかく新型を貰ったんだテストしないでどうする。」
「しかし準備が出来ているのはこの艦だけですぜ?」
「トロいね、リリーマルレーンだけで行く!」
「了解しやした、オイ!MS発進だ!!」
チャイカのザクも防御ラインを突破することが出来ず弾薬、燃料不足の為に後退、
ケイ・ツキムラの隊もアルベルトが戦死し、ケイ自体も被弾して流れていた、
駆逐艦をすべて沈められた573戦隊のどうにかの勝利が見えたとき、後方からのゲルググ4機の強襲に混乱した
「新しい艦隊だと?」
アカギが驚いて叫ぶ、赤外線センサーでも目視でも後方には敵を確認できなかったからだった。
「潜宙ガスを使用したと思われます、4隻の艦隊です、」
「MSは?」
「4機確認です。」
「迎撃!急げ!」
「巡洋艦ダババのジム小隊が向かっています。」
シーマのMS−14Fsゲルググ・マリーネと部下の4機を出迎える位置に居たのはヨシオの小隊だった、
「また新型かいな、そっちの新米共、ついてこいよ!」
最初(はなっ)からシーマの目標は艦隊なのでヨシオ達のビームを避けると
簡単に突破していったがジムを2機墜として行ったのは
技量によるものでしかない。
「畜生!追うぞ、貴様は大丈夫か?」
ヨシオはダババ隊の生き残りのジムに声をかけた
「アイザワ少尉です、大丈夫行けます」
「ユーイチか、着いてこい!」
「了解」
「いや、コウジがいるから俺達は敵艦を叩くぞ。」
ナオト・タカミは「ラグナ・ヴァルキュリア」に帰還していた
「ブースターをはずせ!すぐに出るぞ、装備はB装備だ、急げ!」
「待つのだ、ナオト、」
「何故だ?メイ」
「時間だ、撤退するぞ。」
「解った・・・
モビルスーツはいつでも出せる様にしておけ!」
ケイ・ツキムラは偶然にも「リリーマルレーン」に収容されどうにか機体の応急修理をして貰っていた
「コッセル大尉、敵MS3機接近してきます!」
「MSは?」
「まだ組上がっていません、ザクならあと5分で出せます。」」
「チッ!なんてこった・・・そうだ、さっき収容した奴はどうだ?」
「モニター出します」
「ケイ・ツキムラ少尉です、何か?」
「悪いが敵が来やがった、補給と修理分をチャラにしてやるから出ろ。」
「・・・了解です。」
応急修理されたツキムラの機体がカタパルトに移動している
「NI CONP、SET。」
「SET!」
「AIR BLEED、SET。」
「SET!」
「ENGINE ANTIICE。」
「カウントダウン開始!」
「了解、マリーネ・フレイム、行きます!!」
射出されるゲルググ
「坊主、死ぬなよ・・・、ザクの発進を急げ!野郎共!!」
「敵はグース3機か・・・」
ツキムラはビームマシンガンを連射して牽制をかける
「敵は一機だ、アヤコ、ユーイチ、気を抜くなよ。」
「OK、」
「了解」
ツキムラの放ったビームは、ヨシオの左腕を貫き、アヤコの右足を破壊した、
「チッ、いい腕だ。」
「Oh,バランサーの調子が・・・」
ケイは動きの鈍った一機にビームを集中させながら後方に下がった
「危ない!!」
ユーイチが声を上げるがバランサーの調子が狂ったアヤコは機体をうまく制御出来ずに
ゲルググのビームにコックピットを直撃された、
「・・・・ソーリー・・・・」
爆発、飛散するアヤコの機体。
「参ったな・・・・」
ビームを避けつつ、ヨシオは歯ぎしりしてつぶやいた。
ユーイチも後続のザクが発進してきたのを見て
「ヨシオさん、ここは引いて母艦の護衛に・・・」
「・・・そうだな、・・・・」
ジムが下がったのを見て、コッセルは。
「少尉、わざわざ追うな、後退の発光信号が上がった、味方の艦隊と合流してシーマ様を待つんだ!」
シーマの方も迎撃に立ちふさがったスミレ、ホムラ、アカネを撃破した所で発光信号を確認し
リリーマルレーンへ帰還した。
ヨシオも頭部を失ったカオリを回収しヘスペロスに帰投した
「ジオン艦隊離脱して行きます。」
「そうか・・・わかった、生存者の収容を急げ。」
「了解しました。」
「被害状況チェックだ、ミオ!」
「はい、ヘスペロスの損傷は軽微ですが居住ブロック近くに被弾、2名死亡、MSは識別確認20、5機は反応在りません。」
コウ達は外からレジェンドベルのエンジンを切り離し、ヘスペロスからの電源を使用、
ブリッジなどの閉じこめられていたクルーの救出に成功していた、
居住ブロック近くの被弾で、怪我によって療養していたミラ・カガミとユミ・サオトメは不運にも何回も壁に叩き付けられ
命を落とした。
妹の死にヨシオは錯乱したが、ユウコ・アサヒナの献身で表面上は元に戻っている。
「そうか、キョウコも戦死か・・・」
ケイから報告を受けコウは声を落とした
「結果、6名のパイロットとMSを俺達は失ったのか・・・」
感情のないコウの声、全員彼は一人になったときに泣くのを知っているので
声をかけずにいた。
「コウジ、すまんが待機していてくれ、あとは休息を・・・」
レビル将軍のア・バオア・クー侵攻が発表されたのはその直後だった。