10戦隊と合流した573戦隊に渡された命令書は「星一号作戦」についてであった。
「レイ、忙しくなるな・・・」
「ソロモン攻略となるとかなり大規模な艦隊戦がメインだな。」
「第三艦隊との共同作戦になるのか・・・
「あ!あのホワイトベースも参加のようね、」
「アムロとかいう少年兵の戦い方、みせてもらうか。」
「問題はソーラシステム使用までの時間稼ぎか、」
「あら?コウ、自信無い?」
「連邦軍のMSパイロットはほとんどが初心者だ、囮部隊として一足先に宇宙に出た部隊だけ
が実戦を経験しているにすぎないからね。かなりの被害が予想される」
「レビル将軍のジオンに兵無しの言葉はどうとる?」
「決戦あたりにその結果がわかると思うが・・・」
「MSの補給が来てもパイロットは補充されていない、573戦隊の予備パイロットの総動員で
数を揃えただけだからな・・・」
「ウッドが3人しか生き残らなかったのはイタイな・・・」
「希望する乗組員にはMSシュミレーターの使用を許可するでいいかな?ヌシビト少佐。」
「そうだな、しかしウチの隊で元気のあるのは女の子ばかりだからな・・・」
(まさか、コウ目当ての娘ばかりだったらどうしよう・・・)
「さ、コウ、レイ、ブリッジにもどろうか?」
「ん?もうそんな時間か?」
ここは艦長の私室故にコウもシオリも昔の様に気楽に喋っていた。
これから激戦が待っている、外では573戦隊と10戦隊のMS隊で模擬戦を行っていた。
これは新たに573戦隊で志願したMSパイロットの訓練も兼ねていた。
「さすがTMMスクールのトップクラスがそろっているだけはあるな、しかもチームワークも抜群だ。」
10戦隊のマサキ・ゴトウ大尉はその息のあった行動に舌をまいていた。
ケイとカツマ、ジュン、コウジが突撃しユウコ、アヤコ、ユカリ、ノゾミ、ナオミ、パット、キョウコが続く
ミハル、ミラ、トオル、ジュンイチロウ、ヒカリ、ホムラが支援の砲撃を加える。
「ヌシビトがいなくてもこれだけの行動がとれるのか、あのケイ・シジョウ、なかなかな指揮官ぶりだな
・・・ハンシュー!!全力で向かうぞ!!」
「了解、大尉」
ヨシオはつぶやいた、
「オレだけ初心者の世話かい・・・」
「まあまあ中尉、嘆かない嘆かない」
「マホ・・・ようし!!ゴトウ少佐の隊に攻撃をしかけるぞ!フォーメーションCでみんな連いて来い!」
ブリッジに戻った3人に旗艦タイホウのマーティン准将より通信が入る。
「みんな、久しいな、サイド2での活躍は聞いているぞ、」
「ありがとうございます、提督。」
「さて、届け物は受け取ってもらえたかな?少佐。」
「RX−79の宇宙仕様機ですね?」
「いい土産だろ?」
「ですがアレを使いこなせそうなのは私とシジョウ中尉くらいで・・・」
「キミの横にいるじゃないか?」
「ハイ?」
コウは横にいる人物を見た、そこにいたのは唖然としたシオリ・フジサキ大尉だった。
「提督!シオリはパイロットとしての訓練を正規に受けていません!!」
「キミがレクチャーしているんだろ?」
「う゛・・・そうでありますが・・・」
「それにキミの機体はゴトウ少佐と同じ特別仕様なのでペアを組むなら息が合った相手のほうがよい」
「RX−79NTですね・・・」
「コウ!私やる!」
「え?」
ヘスペロスの士官食堂、ここではパイロット達があつまって談笑していた。
「ひゃーマイッタ、ゴトウ大尉達はつえーぜ」
「ぼやくなぼやくな、」
「オレの仕入れた情報だとソロモン攻略になる様だな。」
「マホ達はどうだ?おそらく次は実戦だが・・・」
「不安はありますけど、全力を出すだけですね、」
「さて、メシを食いながら始めるか、」
「ケイ、もう少し休ませろよ、」
口ではそういいながらも573戦隊のパイロット達はケイを中心に集まった
模擬戦についての意見交換である。各自の感じたことを言い合い始めた。
「みんなそろっているのか・・・」
「コウ!遅いぞ」
「すまんな、」
「ごめんなさい、みんな」
コウとシオリがブリッジより降りてきたのでミーティングは本格的になってきた。
そしてコウに促され戦術士官であるシオリの話が始まった
「みんな一人一人の戦技レベルは高いけど、各自の突出が目立つわね、
とくにユウコは先行しすぎよ、ユカリのフォローが無ければとっくに死んでいるわ。」
「あははは・・・それは相方を信頼しているからってゆーか・・・」
「乱戦ではあまり期待出来ないわよ。」
「うぐぅ・・・」
・・・
・・・
・・・
シオリが全員に意見を言い終えた所でコウが口を開いた
「編成としては、ナオミ、パット、キョウコにはこのままヘスペロス隊に編入、ケイの指揮下に入る。
A小隊、オレ、ミハル、シオリ。
B小隊、カツマ、ユウコ、ユカリ。
C小隊、ケイ、ナオミ、パット、キョウコ、
D小隊、ヨシオ、アヤコ、ノゾミ、ミラ、
E小隊、ジュン、マホ、ミホ、トオル。
F小隊、コウジ、ジュンイチロウ、ヒカル、コトコ。
G小隊 スミレ、ホムラ、カオリ、アカネ。
以上だ。」
「なるほど・・・・ってシオリも出撃するのか!?」
「まあね、」
「おいおい、さらっと言うなよ。」
「マーティン准将のご指名だ、文句は提督に言え。」
「半分は私の希望なの・・・」
「はいはい、ごちそうさま。」
「オレとシオリが中隊の指揮にまわる時は、ミハルがB小隊の指揮下だ。」
「了解、」
「ではアラートのメンバー以外は休息だが、シュミレーターは好きなだけ使っていていいぞ、
ベルのメンバーはランチで移動だ。」
「カツマ、アラートよろしく、」
「へいへい、」
コウは自室でベッドに寝ころび久々にぼーっとしていた、考えても考えても
ソロモンでへの不安が無くならないからだ、そのうち考えるのをやめた。
ビィー
ブザーが鳴った、誰か来たようだ・・・
「少佐、よろしいでしょうか?」
「ん?サキちゃんか、いま開けるよ。」
コウの部屋を訪ねたのはサキ、たしか半舷休息中のハズだった。
「入っていいかな?コウくん」
「あぁ、どうぞ散らかっているけど。」
「・・・」
「どうしたんだい?サキちゃん。」
「わたし・・・」
「?」
「私、不安なの、」
「不安?」
「士官学校で一緒だったみんながどんどん戦死していく・・・別の部隊だったら
こんなに間近に感じなかったのでしょうけど・・・」
(サキちゃんは通信士だから一番にそれを聞くのか・・・)
「無理に言わなくてもいいよ、サキちゃん、たぶん同じ事を今考えていたから・・・」
「ありがと・・・」
「僕に出来ることだったら力になるから言ってごらん?あるんだろ?」
「うん、あの・・・あのね・・・・」
「・・・」
「わ・・わたしに・・・私に勇気をください!!」
「わかった・・・って、えぇ?!・・・まさか・・・」
コクリ
「そ、そそそそそそ、そんな、その、あれ、だから、その・・・」
サキは黙ったまま顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いいのかい?」
「はい・・・」
二人はゆっくりと顔を近づけ唇を重ねてベットへ倒れ込んでいった・・・・・・・
「あー湯船のある船っていいなぁ、極楽極楽、練習艦はシャワーだけだったからね!」
「シオリちゃん、出たらまたすぐにシュミレーションなんでしょ?」
「う・・・メグったらせっかく気分転換しているんだから。」
「あははは、ごっめーん」
「けっこう疲れるのよ、メグも一度やってみる?」
「遠慮しておきます・・・」
大浴場の二人は短い休憩を満喫していた。
そのころ、
ジオン軍のザンジバル級キマイラを旗艦とする艦隊が第一機動艦隊を発見していた。
「連邦軍の艦隊のようです。」
「例のサイド2を強襲した部隊か?」
「合流して増えていますが、間違いありません。」
「それにソロモンに強行偵察を仕掛けた部隊もいますね。」
「フム・・・ゲルググの慣熟訓練にはいい相手になりそうだ。」
「では・・・」
「全機発進!!連邦の艦隊を激滅する!!!」
−MSデッキ−
「はじめまして、ヘスペロスでMSの整備を任されている、ユイナ・ヒモオ中尉です。」
「RX−79整備担当として配属された、ユリウス・ハヤカワ中尉であります。
以後よろしくおねがいします。」
「早速だけど、RX−79NTに関して教えてちょうだい。」
「はい、」
火照った顔をしてコウの部屋を出てくるサキを廊下を自室へ向かっていたヨシオは見た、
(大きな作戦を前にして死ぬかもしれないと考えるとコウに想いをよせる娘が行動するな、
シャレにならんぞこりゃ・・・修羅場か・・・チェックだ、チェック。)
ビィー!!ビィー!!!
「警報?!」
「第1種警戒令発令、全員戦闘配置」
スピーカーよりスズネの緊張した声が響く。
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