「第6ゲート消えました!敵の新兵器です。」
「な、なんだぁ!」
「レーダー反応無し!エネルギー粒子反応無し!」
「レ、レーザーとでも言うのか?方位は?」
「敵、主力艦隊です。」
「グワラン隊が向かっているはずだな?」
「ハッ!」


「すごい・・・これが連邦の新兵器なのか・・」

「ソロモンが焼かれてゆく・・・」

通信にパイロット達のつぶやきが混じって聞こえた・・・

「指令、全MS交戦にはいりました。」
「よし、タイホウ前進、艦隊の前に!」
「敵MS右前方より飛来!」
「前進止めるな!迎撃!!」



「全機いったん戻って補給するぞ」
「了解だ、コウ!」
「コウジ!ジュン!交代だ前に出ろ!!」

艦隊の直衛に残っていたコウジの小隊とジュンの小隊がノズルをふかして前線に向かう

「少佐、」
「なんだ?ミサキ少尉、」
「タイホウが沈みました・・・」
「な・・・」

コウだけでなく、待機BOXにいた全員の動きが止まった・・・

「マーティン准将はどうした?!」
「退艦命令を出したあと、艦橋に直撃して・・・」
「そうか・・・」

恩師の死に一同は震えた

「D小隊、補給完了」
「ようし、先に行くぞ!コウ!」
「ミラはどうなった?」
「救護ルームで絶対安静だ・・・」
「そうか・・・」

ミケを含む下僕の献身の中、ミラは眠っていた。

「この戦争、早く終わらさないとな・・・」
「何か行った?コウ。」
「ん、なんでもないよ、シオリ。」

ヨシオ、アヤコ、ノゾミ、アカネのテールノズルがソロモンへ向かって行く

「コウも何か食べておく?」
「あぁ・・・」
「なんだぁコウ、しずむのは後にしろ、後に。」
「ケイ・・・そうだな。シオリ、俺はチキンバーガーね、」
「まったぁ?コウってチキンバーガー好きね、」
「そうですね〜コウさんがそれ以外を食しているのを見たことありませんわね〜」
「シオリも、ユカリまで・・・いいだろ?好きなんだから。」
「フフフフ」
「ハハハハハ」

待機BOXに笑いがあふれた

「ジム補給完了、ガンダムは2分の補給遅れ」
「な、」
「仕方ないな、コウ。」
「カツマ、頼むぞ。」
「了解。」
「あとはソロモンに取り付くだけだ、ゆっくりいちゃついてから来い。」
「な・・・ケイ!何言ってるんだ!!」
「そうよ、ケイ、私達はまだそんなんじゃ・・・」
「ふぅん・・・まだ、ねえ・・・」
「あ・・・」

つい言ってしまって、真っ赤になるシオリだがコウは気づかずにケイを捕まえてデッキへ漂った

「馬鹿・・・こんな時に何言うんだ、俺の計画が・・・」
「ほぅ、計画ねぇ・・・」
「が・・・」
「ま、いいでしょう、ガンバレよ」
「うぐぅ・・・そ、そういうケイもナオミとしっかりやれよ。」

ぐわん!!

「ぐはぁ・・・い、痛え・・・」
「俺は知ってるぞ、毎晩ナオミがケイの部屋に行っているのを。」
「な、なぜ知っている?」
「極秘情報だ。」
「そうか、ヨシオだな・・・戻ったら覚えてろよ・・・」
「まぁまぁ、お互い様って事だよ。」
「フ、そうだな。」
「ガンダム、ケイ大尉、補給完了です。」
「そら!先に行って来い!!」
「了解、隊長殿。」

ケイは先に編隊を組んで待っていたナオミ、パット、キョウコ、トオルに声を掛けた。

「待たせたな、行くぞ!」
「了解!」

カツマ達はすでに出撃していた。

「コウ・・・」
「あぁ・・・」
「みんな生きて戻って来れるかな・・・」
「大丈夫、戻って来るさ・・・と、言いたいが解らないよ、シオリ。」
「そうだよね・・・」
「シオリは俺が守る、そして生きて戻る。約束するよシオリ。」
「うん・・・」
「ガンダム、補給完了。」
「行くよ、」
「はい。」

その物陰には・・・

「いいなぁ・・・少佐・・・」

ハヤカワ中尉がいた・・・

ソロモンでは大混戦状態になっていて先行した573戦隊のみんなは各個ばらばらに行動していて、そのなかで
ケイ達はジオンのMSを撃破しながらソロモンのスペースゲートの一つにたどり着いた

「そこのジム、状況知らせ!」

通信モニターには階級を提示出来るようになっているために戦場でも階級のトラブルはあまりなかった。

「ハ、このゲートにいる敵が強く、侵攻できません。」
「そうか、どんな奴だ?」
「隊長らしき機体は水色のスカート付きです。」
「な・・・水色?・・・」



ケイはTMM専科コースを出て、宇宙軍に配属されていて、フライアロー制空戦闘機の宇宙型、スペースアローに乗っていた。
1月、開戦直前ケイは政府要人の乗ったシャトルの護衛任務に母艦とサイド2にあった。

出発までの短い半舷休息、スペースポートにてケイは予想もしない人物に会った。

「お兄ちゃん!」
「な、なんでここに、」
「へへへ、今度のシャトルには私も乗って行くんだよ!」
「そうなのか?」

ケイの妹ノアは政府の植物観察官として研修の為にサイド2に来ていたのだった。
その時にジオンの部隊が近くに潜んでいるのを気付いた者はいなかった。

「帰ったら、母さん達によろしくな。」
「うん、わかったよシジョウ中尉さん!」
「コラ!」
「きゃははは!」

元々再婚同士の親の為、周りからは恋人に見える兄妹だった。

「お兄ちゃん・・・会えてよかった。」

ケイの母艦を見つめてノアは呟いた

「今度会った時は告白するね、ケイ・・・」

シャトルが発進してケイも母艦から発進した。

「中尉、カタパルトOK、進路クリアー、発進どうぞ!」
「了解、237番機、シジョウ出るぞ、」

グン!Gを受けながらケイはシャトルのノアを思った。が・・・

「ミノフスキー粒子急速上昇」
「通信・・・ガガガ・・・敵・・・ガガガ・・・ビームが・・・」

ジオンのムサイの攻撃でケイの後ろにいた空母が轟沈した。

「何?ジオンなのか?」

ケイは機体を攻撃のあった方に向けた、

「クライムの隊はシャトルを守れ!残りはついてこい!!」

ケイは仲間と共にジオン艦隊にたった5機で向かっていった。しかし・・・

「中尉!一つ目がぁ・・・」

僚機がザクによって次々に撃破されていった。
ケイは水色のザクと交戦しつつシャトルに近づいてしまった。

「くそ!シャトルのそばに来ちまった・・・クライムは?」

ケイの眼には撃破されるクライムが映った。

「俺だけか?サイドの駐留部隊は?・・・」

核の光

「サイドが崩壊している・・・」

自分を的にしつつシャトルを守り、サイド2を離れようとするケイを水色のザクのマシンガンが火を噴いた。

機体後方に弾を喰らいケイは衝撃でコンソールに顔をぶつけ割れたシールドの破片が左目に刺さった。
気を失う直前、残った右目には爆発するシャトルとそれを狙撃した水色のザクが見えた・・・

「・・・ノ・・・ア・・・」

ルナUから偵察に来た潜宙艦に救われて一命をとりとめたケイは無理を押して、シローアマダ少尉らの乗るシャトルで
ジャブローへ降りた、そこでコウ達に再会する。


「まさか、奴なのか?」
「ケイ!どうしたの?」
「あ・・・あぁ、ナオミすまない・・・」

ケイは動揺をおさえると一気に突進した、

一方、コウとシオリは

「コウ、なにか感じない?」
「あぁ、11時の方向だな、」
「なにか悪い予感がするの・・・」
「俺もだ、行ってみるか・・・」

そこに仲間の何機かが近づいてきた

「コウ!」
「ユウコ、とユカリか、無事な様だね、よかった。」
「他のみんなは?」
「はぐれてしまいましたの・・・」
「そう・・・」

後退の発光信号を確認すると、コウ達は攻撃対象を戦闘を仕掛けてくるジオン兵に絞り
大型MAのいる空域にむかった。
しかしたどり着いた時にはガンダムによってビグザムは爆発の閃光の中だった

「すごいな・・・ガンダムとはいえたった1機で・・・」

コウ達は武器を失ったガンダムがジオン残存MSに攻撃されぬ様に護衛する形で取り囲んだ

「燃料の残量はどのくらいだ?」
「ガンダムはあと3分は戦闘行動がとれます、少佐。」

コウは自分の機体から増漕を外すとガンダムに取り付けた

「規格は合っているハズだ。」

そして予備のマシンガンを渡した

「ありがとうございます」
「敵は後退を始めている、追撃戦になるだろうから母艦に戻った方がいい」
「ホワイトベースはヘスペロスの向こう側に位置してるわ、コウ」

5機は編隊を組んで母艦の空域に向かった








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